亀井 広忠(かめい ひろただ)
《能楽師葛野流大鼓方》
[贈賞理由]
亀井広忠は、両祖父が人間国宝という囃子方に生まれ、父忠雄(人間国宝)の指導の下に研鑽を積み、能の演目初演における全ての演目でその最年少記録を塗り替えてきた。
また現在まで、囃子方としての修業に励みつつ自らの研鑚の場として「広忠の会」を発足させ、様々な伝統芸能のコラボレーションに取り組む新しい試みにも挑戦している。昨2003年12月には、自ら作調した瀬戸内寂聴の新作能が公演されるなど、ここ数年、活動の場を目覚しく広げている。日本伝統芸能界で今後将来大きく期待されるトップランナーとして、本年度ビクター伝統文化振興財団賞「奨励賞」を贈賞する。
[受賞者の芸歴]
1974年 東京生まれ。能楽師葛野流大鼓方(かどのりゅうおおつづみかた)。
人間国宝・亀井忠雄を父に、歌舞伎囃子方十二世田中流宗家・田中佐太郎を母に持つ亀井家の長男。3歳より父に大鼓、謡及び仕舞を故八世観世銕之丞静雪に師事。幼少時には母に歌舞伎囃子も師事する。6歳「羽衣」で初舞台。7歳「合甫」初能。以降20歳までに「石橋」「乱」「翁」「道成寺」「鷺」等を被く。22歳で「望月」、25歳で老女物である「卒塔婆小町」を被く。
1997年 弟・十三世田中傳左衛門、田中傳次郎と共に、能と歌舞伎の囃子の会「三響会」を結成。
2002年 自己研鑽の場として「広忠の会」を発足。東京・桐生・京都にて大鼓を指導。国立能楽堂養成研修所講師。海外公演は、インド、香港、台湾、中国、韓国、フランス、ドイツ、ベルギー、オランダ、ノルウェー、アメリカ、サンクトペテルブルグなど多数。明治座主催「伝統芸能の若き獅子たち」、天王洲アイルカウントダウンライブ「傳」出演。
2004年1月4日TBS-TV系全国ネット「情熱大陸」(毎日放送制作)出演。
「三響会」ホームページ http://www.sankyokai.com/