歴史的音盤アーカイブ事業ご支援のお願い
明治期に始まった録音を収めた資料は、近代の文化遺産として貴重なものです。しかし、時代を経てSPレコード(およびその金属原盤)の劣化、散逸等が進み、音源の喪失が危ぶまれているのが現状です。この歴史的音源を将来に残すために、当財団ではSPレコードやその金属原盤のアーカイブを進めてまいりました。初期に発売されたレコードの全容はつかみにくく、未だその途上にありますが、今後も継続してアーカイブを行うために、広くご支援を募っております。
これまで、当財団は「歴史的音盤アーカイブ推進協議会」(HiRAC)の創設メンバーとして、国内で製造された明治以来のSPレコードに収録された音楽・演説・演芸などのデジタル化を進め、国立国会図書館のデジタルライブラリーに収めてまいりました。約5万音源のデジタル化が実現し、著作権等の保護期間が満了したものについては、インターネットで聴くことも可能です。
HiRACとしてのアーカイブ事業は平成25年度で終了しましたが、実際に発売されたSPレコードは、約10万音源ともいわれています。貴重な歴史的音源が失われないうちに、今の時代に生きる私たちが発掘し、デジタル化することが急務であると考えます。近代の文化遺産のアーカイブ事業を引き続き行うために、皆さまのご支援をお願いいたします。
寄付のお願い
■歴史的音源について
20世紀前半に録音メディアとして重要な役割を担っていた初期のレコード(SP盤)は、年月の経過とともに散逸、消失、劣化が進んでいます。一方、現在までレコードメーカー各社の工場に保管されてきた、SP盤のプレス製造原盤となる金属原盤も、第二次世界大戦の戦禍による消失、散逸と金属錆等による劣化が進み、そこに記録されている貴重な音源の喪失が危ぶまれております。
そのような状況のなか「歴史的音盤アーカイブ推進協議会 Historical Records Archive Promotion Conference」 (略称HiRAC ハイラック)が、2007年4月27日に設立され、弊財団は、社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)、社団法人 日本芸能実演家団体協議会(芸団協)、特定非営利活動法人 映像産業振興機構(VIPO)、社団法人 日本レコード協会(RIAJ)とともにHiRACの設立に参加しました。
ニュース:歴史的音盤アーカイブ推進協議会(HiRAC)が設立されました。/
[HiRAC設立趣意]
かつて時代の世相を伝えるメディアとして重要な位置づけを占めていたSP原盤が、時代の経過とともに、散逸・消失・劣化し始めている。
文化的資産であるこれらの原盤を保存し、広く国民に公開、伝承することをもって、日本の文化と音楽産業界の発展に寄与する。
HiRACによるSP盤及び金属原盤等に収録された音楽・演説等のデジタル音源は2013年現在、約5万件になります。
現在、国会図書館の資料として38,730件が収録され、そのうち著作権及び著作隣接権の保護期間満了が確認された800件ほどの音源は、国立国会図書館のWebサイト「れきおん」を通じてどなたでも聴くことができるようになりました。
国立国会図書館「れきおん」
またインターネットで公開されていない音源についても、国会図書館とその分館のほか、公共図書館、音楽大学の図書館や音楽資料室など、歴史的音源の配信提供に参加する館が全国に広がっております。
歴史的音源配信提供参加館一覧
■アーカイブ事業
弊財団では「無形文化に関する調査並びに資料の収集・記録・保存及び展示」を事業のひとつに掲げ、以下の活動を展開しております。
①音楽・演劇・舞踊・儀式・祭礼・民俗伝承等の無形文化を録音・映像によって新たに記録し、保存、公開する。
②レコード各社及び関係団体音源の収集・活用により、音楽文化の基礎的アーカイブとして復元・整備し、保存、公開する。
③音源のアーカイブ化及び普及・活用のための体制の構築と推進。
④無形文化活動の収集・記録として、伝統芸能公演を開催している各種団体や個人の公演映像記録を、年間を通じて行う。
再生できなくなった貴重なSP盤、古いテープ類のデジタルアーカイブ化を希望する法人や個人のご相談にも応じております。
(レコードやテープの保管のご相談は受けかねますのでご了承ください)
■お問い合わせ先
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-1-8 オーベル渋谷404号
公益財団法人日本伝統文化振興財団