清元 美治郎(きよもと よしじろう)
《清元三味線方》
[贈賞理由]
清元美治郎さんは清元の三味線方として、太夫の語りをたすけるメリハリのきいた撥捌きと艶で定評があり、抑揚緩急に富む粋な清元節の曲調をよく伝える数少ない一人と言えます。
また、清元美治郎さんは舞踊曲を中心とした作曲でもすぐれた能力を発揮、廃絶した古典を復曲するなど意欲的な活動をしておりますが、その活動は清元といった枠にとらわれず、早くから「創作邦楽研究会」で研鑽をつむなど、現代における邦楽他分野の方々との創作活動にも深くかかわってまいりました。その成果は、市川猿之助公演「ザ・カブキ」の清元部分の作曲・演奏、また奏舞集団「くるまざ」への参加などにもあらわれており、他ジャンルの人たちとの積極的な交流をとおしたその幅の広い活動は、注目にあたいします。いまや中堅実力派として常に安定した成果を示し、その清新な気に満ちた演奏は多くの方々から賞賛をえております。
[受賞者の芸歴]
昭和20年 大阪にて生まれる。
昭和39年 清元寿国太夫師に入門。後に清元一寿郎師にも教えを受ける。
昭和40年 清元美治郎の名を許される。
昭和43年 NHK邦楽技能者育成会第十三期修了。
三世今藤長十郎等主宰の『創作邦楽研究会』に参加。
昭和48年 荻江露延の名を許され、荻江節の三味線方を兼ねる。
昭和51年 清元社中による『青鳳会』を結成、同人として参加。
昭和55年 この年より、東宝ゆかた会の講師を務め、現在に至る。
昭和58年 国立劇場に於いて、門弟による第一回『美鳳会』を主宰。
(現在に至る)この年より、国立劇場養成課の講師を務め、現在に至る。
昭和59年 奏舞集団『くるまざ』を結成、同人として参加。(現在に至る)
平成2年 平成元年度第三回清栄会奨励賞受賞。
現在 清元協会理事
清元協会ホームページ http://www.kiyomoto.org/