松永 忠次郎(まつなが ちゅうじろう)
《長唄唄方》
[贈賞理由]
長唄唄方として近年とくに顕著な活躍を示している。幼少より今日まで厳しい研鑽を怠らず、優れた演奏を歌舞伎、舞踊会、放送などで示し、さらに河東節浄瑠璃など、古典を基盤とする新たな活動への取り組みにも意欲的で、各方面から大きな期待が寄せられている。
日本の伝統音楽の明日を担う存在として、その活動は高く評価できる。
[プロフィール]
1967年東京生まれ。1972年、父、松永鉄庄治(鐵十郎)のお浚い会にて初舞台。同年、家元九世松永鉄五郎に入門する。1985年から長唄を杵屋直吉に、三味線を松永忠五郎に師事し、高校卒業後、本格的に長唄の道に進む。1987年に松永鉄裕輝の名を許され、以後歌舞伎、演奏会、舞踏会、NHK放送等に出演する。1993年、五世松永忠次郎を襲名。1994年から河東節を山彦節子(人間国宝)に師事し、1996年に十寸見東裕の名を許されて河東節浄瑠璃方としても活動する。 主に坂東玉三郎の公演に出演するほか、海外でも歌舞伎公演、長唄演奏会に多数参加している。社団法人長唄協会、松永同門会、十寸見会、財団法人古曲会に所属。